東京マラソンの人気は年々増して、2009年大会の申込者数は、30,000人定員に対して226,378人で、 抽選の当選確率7.5倍という超難関な狭き門となってしまいました。

ランナーズ社が集計した2007年4月から2008年3月の1年間にマラソンを完走したランナーの数は114,520人なので、 その全員と、更に、ほぼ同数のマラソンを完走したことがない、または、大会に出たこともないという人達が応募したことになります。

これは、いくら空前のランニングブームとはいえ、ありえないことではないでしょうか。 恐らく、出たいが為に、ひとりが何人もの名前を借りて応募している、ということは明らかです。

事実、第1回大会でボランティアをした方から聞いた話ですが、大会受付で参加賞Tシャツを配るときに、名前の確認をすると、 「いえ。あ、はい。」とか「今日は、そうです。」というような答えが結構あったといいます。

このようなことで抽選倍率が上がってしまい、一生懸命トレーニングに励んでいるランナーが、抽選の確率だけによって、 その努力が報われないということに対し、非常に疑問を感じてしまいます。

これらのことは、参加資格を与える制度そのものをドラスティックに変えない限り、なくなることはないでしょう。

では、他の人気のある大会はどうかというと、ほとんどの場合、申し込み先着順に参加資格が得られます。

しかし、東京マラソンのように、申し込み開始から2日で定員に達してしまうなんてことはありませんが。

それでは、世界の大都市マラソンは、どのようでしょうか。

世界5大都市マラソンといえば、ボストンマラソン、ロンドンマラソン、ベルリンマラソン、シカゴマラソン、ニューヨークシティマラソンですが、 このうち、ボストンマラソンとニューヨークシティマラソンでは、男女年代別に設定されたタイムをクリアしていれば、 有資格ランナーとして大会に参加することができます。


有資格取得<男女年代別タイム>

ボストンマラソン
年齢 18-34 35-39 40-44 45-49 50-54 55-59 60-64 65-69 70-74 75-79 80以上
男性 3:10 3:15 3:20 3:30 3:35 3:45 4:00 4:15 4:30 4:45 5:00
女性 3:40 3:45 3:50 4:00 4:05 4:15 4:30 4:45 5:00 5:15 5:30

ニューヨークシティマラソン
年齢 18-39 40-49 50-59 60-69 70以上
男性 2:55 3:10 3:30 3:45 4:00
女性 3:23 3:38 3:52 4:13 4:35


更に、ニューヨークシティマラソンでは、男女年代別タイムをクリアする以外に、下記のような人に対して ギャランティードエントリー(出場保証)されています。

  • 過去3年間連続で落選した人。
  • 抽選に当選した場合、必ず参加料を支払わなければなりませんが、都合で参加できなかった人。
    但し、翌年も参加料は支払わなければなりません。
  • ニューヨークロードランナーに会員登録して、指定大会に9回以上参加した人。
  • ニューヨークシティマラソンに15回以上参加している人。
  • 国際枠で、指定された旅行代理店を通じて申し込んだ人。

標準タイムをクリアして参加資格が得られるということでは、東京マラソンでも、エリートの部というのがあります。 2007年3月1日以降2009年2月8日の陸連公認大会で、男子2時間27分、女子3時間00分以内の記録を出した者は、参加資格が得られます。(定員男子100人、女子100人)
これは、ほんとにトップランナーに限られたものです。

そこで、エリートBというのを設けてもらいたいと思います。
男子2時間55分、女子3時間30分以内という設定はどうでしょうか。
女子3時間30分というのは、東京国際女子マラソンの市民の部の資格取得タイムです。
男子のタイムの根拠は、福岡国際マラソンのAグループが2時間27分で、Bグループが2時間45分、別府大分毎日マラソンが2時間50分なので、東京マラソンは2時間55分ということで。
(ニューヨークシティーマラソンの39歳以下の資格タイムが2時間55分ということも考えて。実は、自分が2時間52分台の記録だというのが最大の理由ですが。)

ランナーズ社が集計した前シーズンにフルマラソンを完走したランナー(男子約95,000人、女子20,000人)のうち、前述のエリートBに相当するのは、男子約2,600人(男子完走者の2.7%)、女子約1,300人(女子完走者の6.5%)です。
その全員に参加資格を与えても、男女合わせて約4,000人です。

東京マラソンの定員は30,000人になったので、そのうちの10,000人くらいは、設定タイムによる資格参加でも良いのではないでしょうか。
そうすると、やはり、エリートBの設定よりも、男女年代別タイムの設定になります。

男女年代別タイム案
18-34 18-39 40-44 45-49 50-54 55-59 60-64 65-69 70以上
男性 2:55 3:00 3:10 3:20 3:30 3:40 3:50 4:00
女性 3:30 3:35 3:40 3:45 3:50 4:10 4:20 4:30


男女年代別タイムを定めて公表すれば、どの年代のランナーでも、モチベーションを持ち続けてトレーニングに励むことができます。
東京マラソンの参加資格を取ることが、ランナーとしてのステイタスになるのです。


抽選倍率を上げる要因となっている不正申し込みについては、何らかの制度的な改善を成さない限り減らないでしょう。

不正申し込み抑制の施策を考えてみました。

  • 申し込み手数料を3,000円とします。
    当選した場合、残りの7,000円を支払います。
    落選した場合、@大会記念グッズ Aスポンサーの商品引換券 Bチャリティ募金のどれかを選ぶこととします。
  • 当選者は、必ず支払わなければなりません。
    支払わなかった場合、次回からの申し込みはできなくします。
    都合により不参加の場合でも、次回の優遇制度はありません。
    但し、支払期限までに不参加が分かっている場合に限り、エントリー費相当の大会記念品が贈られるものとします。
    不参加者数を集計して2次抽選を行います。
    期限以降の不参加者は、通常の大会と同じに、参加賞のみとなります。

以上で、名前を何人からも借りて申し込むということは、ある程度、防げるでしょう。

しかし、お金を持っていて、いくら出しても懐が痛まないという方もいるでしょう。
その対策として、チャリティ募金エントリーというのをつくります。
エントリー費は、20万円で、どうでしょうか。
お金のある人は、これで、抽選なんかに期待することなく、確実にエントリーできるのです。

次に、不正受付の抑制について考えてみました。

  • 大会受付で本人確認は、ボランティアでなく、公務員に行ってもらいます。
    (公務員というのは偏見かもしれませんが)ランナーの立場にない方に厳しく審査してもらいたいということです。
  • 怪しい場合は、取調べを行います。
    ここまでやる必要はないでしょうね。
  • 本人でない場合、次回の本大会への申し込みを禁止します。

それでも、本人に受付まで依頼して、入れ替わって参加するというケースも無きにしも非ず。
そこで、入れ替わり出走の抑制として、

  • 受付後、顔写真入の参加証を作成し、大会当日、提示して参加者エリアへ入場するようにします。

というので、どうでしょうか。
ここまでしても、不正参加できる人は、よっぽどでしょう。


以上の施策に対して、当然、経費が余計掛かることとなるので、エントリー費は、2,000円くらい上げても、 それで公正に参加資格が得られるようになるのならば、いいのではないでしょうか。

エントリー費のことで言えば、ボストンマラソンでは、男女年代別タイムをクリアした有資格取得者は23,000円で、無資格者は33,000円です。 (2009年2月1日以降は、それぞれ5,000円上がります。)


不正申し込みについてはともあれ、男女年代別タイムで参加資格を与えるということは、是非やってもらいたいものです。

最後に、本テーマと関係ないことなのですが、東京マラソン完走者に与えられる完走メダルですが、サブスリー達成者には、金色のメダルがいいですね。
いろんなことで、東京マラソンに出ることが、ランナーのステイタスであり、目指して出るだけの(ランナーとしての)価値ある大会になってもらいたいものです。


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